2011年10月4日 / 最終更新日時 : 2012年9月19日 youko-hime 金庸<笑傲江湖> 酒杯談義 7 祖千秋の話が続く。 「この紹興酒は古い磁器の杯でないといけない。 北宋の磁器が最もよく、南宋のでも何とか使えるが、すでに見劣りがする。元の磁器ともなると、もはや俗気を免れない。 梨花酒はどうか?翡翠の杯を使うべき […]
2011年9月23日 / 最終更新日時 : 2012年9月19日 youko-hime 金庸<笑傲江湖> 酒杯談義 6 「百草美酒」と書いてあるかめを叩きながら、祖千秋はさらに語った。 「この百草美酒は百草を採集し、美酒に浸したものだ。だから酒は清々しい香がする。百草酒は、百年物の古い藤で彫った杯を使って呑めば、その芳醇な香がいっそう […]
2011年9月13日 / 最終更新日時 : 2012年9月19日 youko-hime 金庸<笑傲江湖> 酒杯談義 5 祖千秋は別の酒がめを指さした。「この高粱(コウリャン)の美酒は最古の酒だ。夏(か)の禹(う)皇帝の時代に、儀狄(ぎてき)が最初に酒を造り、禹が呑んだのが高粱酒だ。令狐どの、世人(せじん)は大禹(たいう)が後世にに残した […]
2011年9月9日 / 最終更新日時 : 2012年9月19日 youko-hime 金庸<笑傲江湖> 酒杯談義 4 祖千秋の話が続く。「葡萄酒なら、むろん夜光杯を使わなければならない。『葡萄の美酒夜光の杯、飲まんと欲すれば琵琶馬上に催(うなが)す』と詩でも詠われている。葡萄酒のような赤い色は、われわれのような男子が飲むには、いささか […]
2011年9月6日 / 最終更新日時 : 2012年9月19日 youko-hime 金庸<笑傲江湖> 酒杯談義 3 祖千秋は首を振った。「それは断じていかん。酒器を疎かにするとは、酒の道の要諦を心得ておらぬな。酒を呑むときには、何の酒にはどういう器を使うか気を配るべし。汾酒を呑むときには玉杯を用いるべきだ。唐詩にいわく『玉椀盛り来た […]
2011年9月3日 / 最終更新日時 : 2012年9月19日 youko-hime 金庸<笑傲江湖> 酒杯談義 2 書生は悠長に歩いてきて、深々と礼をした。「私は祖千秋(そせんしゅう)と申すもので、祖は祖先の祖で、千秋とは千秋万歳の意味だ。貴公のご尊名は?」「私は令弧冲と申す」「いい苗字だ、名前もいい!」 祖千秋は言いながら、渡り板 […]
2011年9月2日 / 最終更新日時 : 2012年9月19日 youko-hime 金庸<笑傲江湖> 酒杯談義 1 大量の美酒を贈られるのが、何よりも嬉しい令狐冲(れいこちゅう・主人公)である。碗の酒を数回できれいに飲み干すや、「いい酒だ、いい酒だ!」と褒め称えた。 ところが、岸でも誰かが大声で、「いい酒だ、いい酒だ!」と褒めそや […]