中国古代名剣 その12

 炭が真っ赤に燃え上がる。金属が溶け合わず、苦しむ干将。それを見る莫耶。そのとき莫耶が突然、炉の中に乗り出し、自ら身を投じた。呆然と立ちすくむ干将。 莫耶の身体はたちまち溶けて、目前の炉の金属は、不思議に溶け合っていった。 妻の命と引き替えに得た金属で、干将はふた振りの剣を鋳造した。それは見事な出来ばえの陰陽の剣だった。

 陽剣を「干将」といい、陰剣を「莫耶」と名付けた。陽剣には亀の甲羅模様、陰剣には波模様を付けた。干将は陽剣の方を隠し、陰剣の方を献上した。 闔閭はこの剣を大変重用した。「伝説の刀剣」

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