呉越興亡 その3
呉の国では、呉王僚(りょう)に対して、従兄の太子光(こう)がクーデターの機を窺っていた。長男の家系の自分が王位を継ぐべきだと考えたのだ。 呉王僚が対楚攻撃に失敗したとき、機は訪れた。太子光は僚を自邸に招き、宴会の最中、伍子胥(ごししょ)が推挙した勇者専諸(せんしょ)が僚を刺殺した。 太子光は即位し、呉王闔閭(こうりょ)と名乗った。伍子胥は国政の相談相手となった。
伍子胥とともに対楚攻撃策を練ったのは、兵法家の孫武(そんぶ)だった。唐、蔡の両国と協力して総攻撃を行い、楚の首都を落とし、伍子胥は平王の墓を暴き、屍を引きずり出して、三百回鞭打ち復讐した。 「史記の人間学」
