呉越興亡 その15 范蠡(はんれい)の決断

 「越既に呉を滅ぼす。范蠡(はんれい)之を去る。大夫種(しょう)に書を遺りて曰く・史記」

 <飛鳥尽きて良弓は蔵われ、狡兎死して走狗烹らる、といわれる。越王勾践(こうせん)は長頸烏喙(ちょうけいうかい)である。この相は患難を共にすることはできても、安楽は共有できない相である。狡兎が死んだいま、狗は烹られるのを待つだけでではないか。子よ、なぜ越を去らぬ>

 越王勾践(こうせん)の人となりを范蠡(はんれい)は、苦難の淵に沈んでいるときにはよく他人の意見を聞くが、権力の座に安住すると善言を遠ざけ、侫言を容れる性格であるとみて越を去る。 「范蠡(はんれい)・立石優」

 

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