第二節 <三皇(1)・太昊伏羲(たいこうふくぎ)> その二
庖犠氏が崩御すると女媧(じょか)氏が立った。また、風を姓とし、木徳の王であった。はじめて笙(しょうという楽器)を作った。 (当時)諸侯のひとり共工氏が、祝融と戦い、勝てなくて怒り狂い、頭が(天柱のある)不週山に接触した。(そのため、不週山は)崩れ、天柱が折れ、地盤(の一角)が欠けてしまった。 女媧(じょか)は(そこで)五色の石を錬って天を補修し、大きな亀の足を切って(地)の四方を立て(直し)、葦(あしを焼いてできた)灰を固めて洪水をせき止めた。 こうして大地は平らになり、天も完全に(元どおりに)なり、旧来と変わらなくなった。
女媧(じょか)氏が没すると、共工氏、太庭氏、柏皇氏、中央氏、歴陸氏、驪連(りれん)氏、赫胥氏、尊盧氏、混沌氏、昊英氏、朱襄氏、葛天氏、陰康氏、無懐氏が立った。 (同じ)風を姓とする者が継承すること十五世に及んだ。 『十八史略 (現代語訳と解説) 竹内弘行』
