太古と三皇・二つの法則性 <五徳終始説> その一
王朝ごとに木、火、土、金、水の五徳の一つをそなえて循環していると見る<五徳終始説>。 太古の天皇の木徳から、地皇の火徳、人皇の土徳、(次いで明記されていないが、有巣氏の金徳、燧人(すいじん)氏の水徳を経て)ふたたび伏義氏の木徳になっている。
この木、火、土、金、水は、もと「五行(ごぎょう)」といわれ、この世界をめぐる五代元素だとして、戦国時代の思想家鄒衍(すうえん)によって提唱されたものである。 この五行説は、のち秦や漢の統一大帝国が出現すると、その出現を合理化するために各王朝が独自の五行の一徳をもち、それが順次交代し合うことは、自然界の法則でもあり、また人間界の歴史の法則でもあると拡張して主張された。 こうして各王朝ごとに五徳が配されたのである。 『十八史略 (現代語訳と解説) 竹内弘行』
