射落とす(いおとす)

 「誰某はかねがねねらっていた専務取締役の地位を射落としたね」とか、「美貌の彼女を射落とした羨ましい男だ」などと用いられる。

 「今昔物語」に「養由、弓を取りて矢を天に向かいて日を射るに、九の日を射落としたり」とみえている。このように「射落とす」は、もともと矢を目的物に射当て落とすこと。これが転じて手にいれることを、比喩的にいうようになった。

 *中国に、羿(げい)という弓の名手の神が、九個の太陽を一個ずつ射落とした、という神話がある。「中国の神話・白川静」。 西王母や、月に行ってヒキガエルになったという羿(げい)の妻などのこの神話は面白いです。(豊島)

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