生前戒名
仏教では仏教徒の亡くなった人へ戒名を授けます。仏教の宗派によって戒名の決まりもあるらしいですが詳しくはわかりません。現在では環境の変化やそれぞれの家族の事情もあって、お寺から離檀や墓じまいをせざるを得ない方々もあるようです。したがって戒名なしの俗名で弔われても問題ない事です。
たまたま私の実家はお寺と長い付き合いがあり、檀家として先祖代々の墓もあります。戒名について菩提寺のお坊さんがおっしゃるには、亡くなられた方に最も相応しいお名前を考えますとのこと。それなら私が死んだら、お坊さんと子供たちは相談して私の戒名を考えるんだと思った。
生前戒名という言葉を聞いたことがある。お坊さんに、<今、生きている私に戒名を付けてくださることは出来ますか?>と聞いた。<とても良い事です。江戸時代ころまでは当たり前の儀式でした><生きているうちに私の戒名を授けて頂ければ有難く思います。百尺竿頭のホームページを参考にお願いしたいと思います>。お坊さんも生け花の稽古をしていた時、たまーに一緒になったことがあるくらいで、私の事は知らないはずだから。
数日後、手紙が届いた。<仏教の最高の悟りというニルブァーナは、百尺竿頭の意味です。妙なる女性、母として、實さまとともに歩まれた功績を称え、百尺院の院号と妙實を付けました。さらに自らの向上への努力、海外までの普及は更進一歩であられる事を考え、日拳大姉と付けさせて頂きました>。有難い、嬉しいなどの気持ちは湧かず、この戒名に相応しい戒めをもって、恥じない人生を送ろうと、最後の目標を授けられ、安心感が湧いた。子供たちも承諾し、畏まって頂戴した。