「王直」屋敷跡
16世紀の倭寇のほとんどは中国人で中国人居住地の跡も残っていると観光ガイドに載っていた。ホテルを出て石畳の階段、坂道を歩いていくと「六角井戸」なるものがあり、唐人、倭寇関係の遺跡として伝承されているとあった。
さて次は、このまま歩いていくと倭寇頭領「王直の屋敷跡」に出会うはず。スマホで地図を見ながら歩く。石畳の道は狭く急でボコボコで曲がりくねっている。さてどっちだろう? ちょうど向かいから郵便配達やさんが来た、こんにちはー!と声をかけられたから、<王直の屋敷跡を探しているんですけどこっちへ行けば良いですか?>。スマホをみて郵便屋さんは、<あれ?どこだろう?王直って誰ですか?>。
スマホのマップがここ!とマークが付いているけど見つけられない。行ったり来たり、出会う数人の人もわかりません。ビルの社員かしら?出てきた二人の女性に訪ねる。二人でああだこうだと話して、<たぶんあそこです!細い道の階段をあがり左へ曲がっていくとあるかもしれません><王直って誰ですか?>。
困ったもんだ!探して細い階段を上がり左へ曲がる。急な傾斜に家がびっしりと建っている。見つけた! 昔は景色も良く湾を見渡せ「王直」の住まいは立派だったんだろうなー。でもそれらしき名残りを感じることは出来なかった。
この度の目的を果たせた!嬉しかった! しかし平戸市民の大半は「王直」を知らなかった。平戸の海外貿易は江戸幕府の命で長崎出島へ移るまで、オランダ、ポルトガル、イギリスも加わり貿易の中心地だった。オランダ商館、イギリス商館跡なども残っており、こちらの方が海賊倭寇より響きが良いのかもしれない。