象牙の密輸
小笠原近海で中国漁船の赤珊瑚密漁の話題が連日ニュースになっているところへ、今度は、中国の習主席がアフリカを訪問した時、密猟の象牙を買い取った中国人が政府専用機で中国に運んで密輸したと、イギリスのメディアが話題にしている。
紀元前11世紀頃の中国、殷王朝最後の紂王は”酒池肉林””炮烙の刑”などで有名な悪逆非道の王。初めて象牙で箸を作った紂王に叔父の箕子は嘆いて、「彼、象箸を為れば、必ず盛るに土器を以てせず、将に玉杯を為らんとせん。玉杯象箸あらば、必ず藜藿を羹にし、単褐を衣て、茆茨の下に舎らざらん。則ち錦衣九重、高台広室、此れに称って以て求めて、天下も足らざらん」と。
「彼が象牙の箸を作ったからには、次はきっと土器に盛ることをやめて、ゆくゆく玉杯を作りそれを使うようになるだろう。玉杯象箸とくれば、その次はきっとあかざや豆の葉をあつものとする粗食や、短い毛衣を着るという粗衣や、茅でふいた宮殿に住むといった質素な生活に満足しなくなるだろう。とすれば、錦の衣装に九重の城門をそなえ、高殿に広い部屋と、これにつりあうよう求めつづけることになり、天下の資材をかき集めても、不足するだろう」と。
これは現在の話ではなくて、中国の紀元前1,100年の頃のお話。