「天命之を性と謂ひ、性に率(したが)う之を道と謂ひ、道を修むる之を教と謂う」。

天命の命は造化の絶対的作用を言う。天地自然の一つの特徴は、無限の創造・変化である。約してこれを造化という。その造化を一番象徴するものは、何と言っても天、天は限りがない。地の有限であるのに対して天は無限である。と同時に地は固定的であるが、天は変化極まりない。

そこで天地自然、天地人間の創造変化を象徴して天と言う。天地自然、造化作用・働きというものは、人間が好むと好まざるとにかかわらず、絶対のものである、必然のものである。その必然性、絶対性を命という語で表す。そうして創造されて、ここに万物が現れて来るのでありますが、それぞれ区別するために名というものがつけられる。

以上は、安岡正篤『中庸章句』の中に書かれている解釈で、私の好きな部分です。

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