断崖絶壁のエズ村。

パリ行きの空港はニースにある。カンヌからニース、ニースからモナコは以前車でも通った。断崖絶壁の細い道をタクシーの運転手はヒョイヒョイと飛ばしていた。この危ない道で、モナコのグレース王妃は事故死した

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ニースとモナコの間にグラースという地区があり、そこの標高429メートルの岩山にはエズ村という小さな村がある。頂上には熱帯植物の庭園があって、眼下に紺碧の海を見ることができる。岩山の頂上を見上げて理事長とKさんは<行かない!>。最年長のIさんは<私は行く!>。

Iさんと私は石の階段で始まる村の入り口から登って行った。狭い道の両側は石造りの小さな家で、ほとんどがお店やレストラン。花と木に埋もれている。<道の分かれ目にある何か目印を記憶しておいて、帰りの道に迷わないですむようにしようね。この真っ赤な花、あの可愛い置物、覚えておこう>。などと言いながら歩いていくと庭園の入り口。お金を払ってさらに急な石段を登る。

429mの上から見下ろした景色は素晴らしかった。紺碧の海、輝く太陽、吹く風は優しく気持ちが良い。すると近くで賑やかな声が聞こえる。見ると中国人の新婚のカップル何組かが、庭園の中に入ったり、花が咲くそばなどで記念写真を撮っていた。

 

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