養花

人生で初めて体験している疫病。見えないウイルスによって世界中に広がり、死者もたくさん出ている。治療薬が出来、ワクチンが出来たら、治癒の方向に向かうのかな? それまでは、自粛の規制の中での生活。外出を控え、ひたすら家に居る。いつまで続くのかなー。しばらくは憎きウイルスと共生していかなければいけないのかなー。

外出を控えて家に居る時間をつぶすために始めた花の栽培。もともと花は好きだから無理をせずに受け入れられたけど、マンションで栽培というと鉢植え専門の栽培になる。これは意外とやっかいだ。マンションのベランダは、個人所有のものではないから。隣との境に置いてはいけない。下に落とすようなことがあってはならない。汚したらいけないなどなど。

ところが最近はいいものが出来ている。燃やせる土。軽い土。土の再生用の土など。土の処理には困らない。枯草は月2回の収集ゴミに出せる。肥料は匂いのしない有機肥料もある。プラスチックの鉢はホームセンターが引き取ってくれる。問題は、病気や虫など予防の薬を使う時。出来るだけ使用を控え、使用する時は人のいない時間帯と心掛けている。虫を食べてくれるテントウ虫が来てくれるととても嬉しい。

いつもベランダに出て草花に接する時に思い浮かべるのが、中国の有名な作家の「老舎」。中国語を勉強している頃、彼の書いた『養花』という短編が教材に使われていた。老舎は花が好きで、花を育てている日常を描いたものが『養花』。当時は語学の勉強だから余裕はなかったけれど、今なら彼の花への愛情が理解でき、楽しみを共有しているように、ベランダで過ごせている。

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