掃除のおばさん

8月の末はフランス・リヨンへ行くという予定だった。しかし娘の体調不良ということで、フランス行きを取りやめた。おかげ様でこの期間は娘と過ごせることになった。

料理は上手と言えないけれど、私の作った料理を美味しいと食べてくれていたので、料理作りのおばさんになりきろうと、心構え万端で娘の家へ出かけた。駅まで出迎えてくれていたので、途中のスーパーへ寄って食材を購入する。ちょっと奮発してあげようと国産サーロインステーキを人数分買う。この際、値段は見ないようにして。

家に入ると家具の配置が変わっている。＜あれ？この間と違うね＞＜ヨウコが来るので少しでも広くしようと移動したの＞。居間と和室の仕切りをはずし、広々とした分、床に敷かれている2枚のラグの汚れが目に入る。＜コロコロある？＞＜大きいのはないけれど、小さいのはある＞。汚れを取ろうとしたけれど取れない。＜大きいコロコロを買いに行こう＞。

ホームセンターへ行き購入した。早速掃除。ラグの上をコロコロ。粘着テープのような取り紙はしっかりゴミを取ってくれる。その後のラグの肌触りは気持ちよく、娘はビックリし喜んでくれる。嬉しそうに喜んでくれる態度に私は張り切って、台所、洗面所、2階の各部屋をコロコロ。掃除のおばさんになってしまった。しょっちゅう転がしていた私に娘は、＜コロコロ一個で、一日中遊べるのね＞だって。