さまがわり

世帯主になったのだから、手紙は全部が私の宛名でくる。当然だけど、なんと多いこと。コロナのせいか、季節の時期のせいか、公共からの郵便物が多い。それも、税金、介護保険料、国民保険料、固定資産税、電気、電話、水道、ガス、NHK、マンションの管理費、町内会費、などなど、全部私の名前宛。

いわゆる請求書のたぐいだけど。数字が書き込められている。計算したくないけど、なんと高額だこと。まあ一人になったぶん、ガス、水道、電気の料金はいくらか減ったけど、一人でも減らないものの金額が大きい。世帯主が払う金額って大きいね。気が付かなかった。

こんなに支出が大きいと節約する必要あり。できるのは食費だと思うけど、今まで外食にかけていた費用が、コロナで外出しない分、ぜんぜんかからない。これは大きい。だから食費はケチらないで欲しいものを購入する。けれども、嗜好が変わってしまった。刺身、牛肉ステーキを食べたいと思わなくなった。鰻と豚肉が好きになった。

刺身など生ものが好みでなくなったぶん、スーパーへは3日に一度の割合で出かける。3日分の献立を考え購入する。4日目の朝の冷蔵庫の中は空っぽ。この4日目の朝に地震がきた。寝ぼけている所へ妹から電話。<お姉さん、大丈夫?><まだベッドの中><良かった。火は使ってないのね?><大丈夫、火を使う食べ物がないほど、冷蔵庫が空っぽ>。妹は言葉を失っていた。

いわゆる請求書のたぐい。

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