着物をたたむ

娘の次女が来年成人式を迎える。成人式の晴れ着姿は、早いうちから写真スタジオで前撮りしなければならないと、娘は6月末に予約していたらしい。＜コロナで不安だけれど来てほしいなー、駅まで送り迎えするからどう？＞。送り迎えすると言われて、行かないわけにいかないと出かけた。

前日、＜明日何時に行けばいい？＞＜早く来れるなら9時か9時半＞。9時に着くように朝早く家を出た。当日は雨で、朝早い電車だったせいか空いていて安心した。迎えに来てくれた娘に、＜スタジオは何時の予約？＞＜午後1時の予約だけど、お願いしたいことがあるの＞。

昨年に晴着を準備していた。レンタルのつもりでいたのに、＜いい反物があります。そんなに高くないからあつらえたら？＞と言われた。縮緬で柄と色合いが気に入り、あつらえることにした着物が自宅に届いているという。＜しつけ糸を取り外して、持って行かなければならないの。仕付け糸を取り外せても、きれいにたためないからお願いしたい＞。来て欲しかった理由はそれ？

そうか、着物を着る、脱ぐ、たたむ。慣れていないと出来ないことなんだ。小さい頃から着物を着ることに慣れていた私には問題ないけれど、いまの大人たちは、子供の頃の七五三のお祝いの時くらいしか、着物を着ていないものね。たたむのは全然問題なかったけれど、細い絹のしつけ糸を取り外す方がとても緊張した。