美術館のようなお宅

イタリア製のアルファロメオで迎えに来たコニャルさんは、<道路を工事していて混んでいるので別の道で行きましょう>と、山道へ入っていく。<鹿やイノシシが出るのでゆっくり行きます>とクネクネした道を深い森の中へ入って行く。すると貯水池が現れ、周りの道を楽しそうにジョギングや散歩をしている人たちがいるのでビックリ。さらに小奇麗なレストランまであった

いつもなら15分くらいで着くのに、1時間ほどかけてご自宅に着いた。二度目の訪問だけれど本当に大きな二階建ての家。ワイン2,000本のあるワインセラー、日本刀の真剣が5,6本も置いてある書斎、階段の途中には仏像が何体もある。掛け軸や絵画も飾られていて、まるで日本の美術館にいるみたい

やっと二階のリビングルームにたどり着く。奥様とご子息が出迎えてくれ、<早速食事をしましょう、こちらへどうぞ>と、目の前に山や丘陵が見渡せるサンルームに案内された。もう夜の9時なのに外は明るい。最高のロケーション。シャンパンで乾杯。白ワイン、その後の赤ワインは、<フランスの葡萄が病気で全滅するような被害の時に残った木、100年以上も経つその木から採った葡萄のワインです>。その出来事を題材にした映画を何本か見たことがある。黒味のある赤で重ーいワインだった。

<世界中を駆け回り自宅に戻り、この景色を見ながら美味しい料理とワインを飲む時がホッとする時です>とコニャルさん。話に花が咲き、さらにもう1本追加。<明日の朝、僕はワシントンに行くので、代わりに僕の弟子夫婦が面倒を見ますから安心してください><いえいえ大丈夫です、近辺を散策したりノンビリしますから><いや、もう決まっています。ぜひ見て欲しいものもあります。千年も経つ古い街も案内します>。楽しんでいた気分が、一瞬にして緊張に変わった

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