不動明王

ご主人のアトリエは母屋を出て隣にある建物。やはり歴史を感じる古さ。中に入ると何が何だかわからないほど雑然としている。有名な画家のアトリエを復元したものです、というよな綺麗なものくらいしか見てない私。ご主人に初めて会って間もないのに、態度や話し方に、繊細、強引、自我などの強い印象を受けていた感じが、このアトリエに現実を見た感じ

こっちへと手招きされていった奥には、大きな仏像を画いた絵があった。<フドウ・ミョウオウ>です。コニャルサンから聞いていたフド・ミホとは「不動明王」のことだったのだ。でも何で?コニャルさんは不動明王の絵を要望したんだろう? 

<どうですか?>って聞かれても私、不動明王を知らない。憤怒の表情、右手に剣、左手に縄のようなもの、童子が左右に描かれていた。見開いた目と半開きの目、上を向く犬歯と下を向く犬歯。どういう仏さまなんだろう?背面には燃え盛る炎のようなものも描かれている。強い赤色ではなく、ご主人の印象とも違い、優しいピンク色系に感じた。日本に帰ったら勉強しなくっちゃ。写真を撮っても良いかと聞くと良いと言ってくれた。写真で見る炎は優しさを感じず、不動明王の顔は優しく感じた。

帰国後、料理屋さんで偶然に、知り合いで合気道八段の先生に出会った。不動明王とは如来さまの兵士のようなもの。如来さまがいて下には菩薩がいて、その下の位に不動明王がいると教えてくれた。<不動明王の役割は?><そんな細かい事、俺は知っちゃいねーよ>。 

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