心頭を滅却すれば火自ずから涼し
もと六世紀の中国の詩人杜荀鶴の一節で、「碧巌録」に引用されていますが、日本で知られるようになったのは快川国師に依ります。
織田信長が快川以下一山の僧百余人を恵林寺の山門の楼上に押し込めて火を放ったとき、快川は弟子たちに焼死寸前の悟境を述べさせ、最後に快川がこの語を唱えます。
心頭滅却は、熱い冷たいの相対的な心を超えて、熱い冷たいに徹するので、今の場合快川は火に焼かれるままに「熱い熱い」に徹します。 「火自ずから涼し」は火そのまま、火に同化するので奇跡は起きません。 逃げずに避けずに、熱さに成り切り、苦悩に徹し切るのです。 <松原泰道>
暑くない! いやー暑い! 暑くない! いやー暑い!