玉(ぎょく)の杯Ⅱ
唐詩でうたわれている夜光杯は、戦場へ出かけようとする兵士を思ったもの。日本で玉杯というと、やはり戦争に関連するように思う。 戦と関わらずに、杯をうたう李白の詩に、
蘭陵美酒鬱金香(らんりょうのびしゅ うっこんのか)
玉椀盛来琥珀光(ぎょくわんもりきたる こはくのひかり)
蘭陵のうまざけは鬱金のかおりを放ち、玉の椀にもられて、琥珀色の光をたたえる。「唐詩選・前野直彬注解」
昔はヒスイのことを玉といったらしいが、ヒスイは希少で、現在は玉石を玉というらしい。北京のお土産やさんでは、玉石で作られたものをヒスイと言って売っているから気をつけてね!