中国古代名剣 その11
呉王闔閭(こうりょ)に期待されている刀鍛冶干将(かんしょう)は金属が溶けず苦しみます。
莫耶<神仏の変化は、人を犠牲にしないといけないと聞いています。犠牲になる人がいないとうまくいかないのでしょうか>。干将<昔、師匠が金属を溶かそうとしたが、やはり解けないときがあった。師匠夫妻が二人で鍛冶場に入ると、混ざり合ってうまくできたと聞いている。金属を溶かすため、喪服を着て鋳造するとも聞いている。私は一人で鍛冶場に入るからだろうか>。莫耶<師匠の奥様と一緒に金属を溶かし、剣を作れたのならば、私達にもできるでしょう>。
300人の子供達が一斉にふいごを吹き炭を燃やした。髪と爪を切り身を清め、二人は鍛冶場に入った。「呉越春秋」