エコタクシー

 八大処の広い場所をお坊さん達が、大きなタンクに入れた豚汁のようなものを、リヤカーに積んで通り過ぎる。 おいしそうな匂い。 参拝客に配るのかな。 我々もお腹が空いてきたのでホテルに戻ることにする。

 帰りはタクシーに分乗して帰ることにし、参道の先の駐車場へ向かう。 参道には物売りに交じって、裸姿の物乞いがたくさんいる。 腕の無い人、足の無い人、ヤケドの痕のような皮膚の人。 地獄絵のようで恐かった。

 タクシーもバスも無い。どうしよう! その時、遊園地の園内を走るような、屋根だけで手すりの無いミニバスを運転している裸のオジサンに声をかけられた。 三列のシートと助手席で12人乗れるという。 もう一台のミニバスもやって来て、全員乗れた。 

 あれ?静か!電気で動いている! 一般道を普通車と同じ速度で走る。 ハンドルを操って、風を切って、気持ち良さと恐さが入り混じる。 日本ではありえない!

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